富山湾の寒鰤

冬型の気圧配置になると寒ブリが、富山湾に仕掛けられた定置網に入る。

地響きのような激しい雷鳴が轟き渡るのは11月末から1月の間に多い。

北陸特有の冬期雷である。

富山湾に強風が吹き荒れ、沖合では大シケが続き閃光が走る。

鰤の豊漁を告げる「鰤起こし」である。

お造りは、上質な脂がのっていて全く臭みが無く絶品。

無濾過の地酒・生酒が合う。

朔風払葉(きたかぜ、このはをはらう)

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11月27日から七十二侯は「朔風払葉(きたかぜ、このはをはらう)」で二十四節気「小雪」の次侯にあたる。

朔とは北の方角の意味があるので朔風は北風のこと。

北風が吹いて木の葉を散らす時季という意味。

黒部峡谷鉄道は11月30日で営業終了となる。

宇奈月温泉周辺の木々は、まだまだ色濃い紅葉の葉をつけている。

山彦遊歩道では絨毯を織り上げるかのように錦色に染まった葉が降り積もる。

セレネ美術館には黒部の落ち葉をとらえた手塚雄二画伯の「終宴」が展示されている。

奥黒部の取材を終えて岐路についた時、断崖絶壁の日電歩道にはヒラヒラと照葉が舞い落ちた。

晩秋の黒部の印象を描いた作品である。

これから黒部峡谷は雪を纏い水墨画のような幽玄の世界に入る。

香箱蟹(こうばこがに)

香箱蟹(こうばこがに)は津和井蟹の雌で雄と比べるとかなり小ぶり。

「活け蟹会席」「雅の膳」のひと皿で、他に追加料理としても人気が高い。

サイズが小さいため丁寧に身を抜き甲羅に盛り付ける。

つぶつぶの茶色の卵は外子で特別の食感が味わえる。

旨みが凝縮された味噌とオレンジ色の内子は濃厚な味わいで地酒と最高の組み合わせ。

うつわは、向附・乾山写し雪笹鉢。

雪の峡谷を眺めながら蟹三昧。

富山湾では、香箱蟹は1月20日から禁漁となり、津和井蟹は3月20日から禁漁。

これから本格的な蟹シーズンとなる。

のどぐろ若狭焼

冬の富山湾の「のどぐろ」は上質な脂が乗っている。

「のどぐろ」はアカムツのことで、地元では魚神(ギョシン)と呼び魚の神と書く。

上質な脂は、お造り、焼き物、煮物でより旨みを引き立たせる。

まさに魚の神の所以である。

焼き物は、酒、味醂、醤油を合わせた若狭地をかけながら丁寧に焼き上げる。

うつわは染め付け。

永楽妙全造、染付雲鶴で吉祥の文様。

うつわと料理を楽しむ【延楽・雅膳】の一品である。

虹蔵不見(にじ、かくれてみえず)

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<黒部三段染と山彦鉄橋>

11月22日から二十四節気は「小雪」に入る。

冬本番には未だ早いが、山には雪が降り始める頃。

七十二侯は「虹蔵不見(にじ、かくれてみえず)」で二十四節気「小雪」の初侯にあたる。

空気が乾燥し、日差しが弱くなるので虹が見えなくなるという意味。

この季節北陸では冬期雷といって雷がよく発生する。

地響きを伴った雷鳴が轟き渡るのは、11月末から1月の間で富山湾に強風が吹き荒れ、沖合では大シケになり閃光が走る。

鰤が富山湾に押し寄せるシグナルで、豊漁を告げる「鰤起こし」。

11月28日は親鸞聖人の命日で、昔からこのあたりがよく荒れる。

真宗門徒の多い富山県では、「御満座(ごまんざ)荒れ」と呼んでいる。

富山には鰤を使う風習が多く残っている。

これから県内の市場には、脂の載った丸々とした寒鰤が威勢よく並ぶ。

晩秋の黒部峡谷は、色濃い照り葉が所々残り、秋の深まりを感じさせる。

湯量豊富で肌に優しい温泉と寒鰤料理が味わえるのが、山あいの出湯宇奈月である。

晩秋のお造り

晩秋の宇奈月は、紅葉の装いが色濃く残る。

峡谷を流れる水は、ますます透明さを増す。

この時季に富山湾で水揚げされる魚の旨みは格別である。

極めつけの刺身ダレは、延楽特性の「煎り酒」。

魚の旨みがしかりと味わえる。

晩秋を楽しむ器は、仁清色絵紅葉六寸皿。

露天風呂に浸かりながら黒部の秋の深まりを静かに味わう。

津和井蟹の洗い

透き通るようなお造りは氷水にさらした蟹の洗い。

とろけるような食感の中に濃い甘みが口いっぱいに広がります。

黒部の山々が薄く雪化粧をすると富山湾のずわい蟹漁が最盛期を迎えます。

婦人画報「美食の湯宿・活蟹会席」で紹介されました。

金盞香(きんせんか、さく)

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<うなづき湖>

11月17日から七十二侯は「金盞香(きんせんか、さく)」で二十四節気の立冬の末侯にあたる。

金盞香が咲き始める頃という意味。

金盞香とは水仙のことで別名「雪中花」。

五弁の花びらの真ん中にある副花冠が金色の盃を表す「金盞(きんせん)」に似ているところから金盞香と命名。

宇奈月温泉は冬型の気圧配置で気温も下がり時雨模様。

雨上がりの霧が山を覆い、時折切れ間から深紅に染まった木々が現れる。

雨の紅葉の峡谷は一段と幻想的になる。

山の頂が雪化粧すると黒部の三段初め、五段染めが現れる。

地始凍(ち、はじめてこおる)

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<黒部峡谷の紅葉>

11月12日から七十二侯は「地始凍(ち、はじめてこおる)」で二十四節気の立冬の次侯にあたる。

陽気が弱まって日ごとに冷え込みが増し、大地が凍り始める頃という意味。

宇奈月の里では霜や霜柱は未だ少し早いが、冷たい時雨が降ったりやんだりを繰り返し、ひと雨毎に冬へと近づいていく。

黒部峡谷に分け入ると、まだまだ紅葉に出会える。

色濃い黄金色と深紅の照り葉だけが残り、天からの光に照らされて美しく輝く。

山路で様々な形の落ち葉を拾い集めるのも黒部の楽しみ方の一つだ。

慣れてくると葉を見ただけで樹木がわかる。

そこまでくると黒部の名ガイドといえる。

山椿開(つばき、はじめてひらく)

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<延楽・総檜露天風呂「華の湯」>

11月7日から二十四節気は立冬に入る。

黒部の山々の稜線は、葉が落ち木々が立ち並ぶ景色へと移り変わる。

山の中腹から下は紅葉真っ盛り。

七十二侯は、「山椿開(つばき、はじめてひらく)」で二十四節気は立冬の初侯にあたる。

木枯らしが吹き山茶花が咲く頃という意味。

山あいの出湯宇奈月は、今が最も紅に美しく染まる頃。

これから日ごと深紅が増してくる。

錦繍の峡谷を檜の香り漂う露天風呂に浸かりながら眺める。

まさに至福のひと時である。

黒部峡谷鉄道は、峡谷の紅葉を求めるお客様で連日賑わっている。

富山湾では本ズワイ蟹が解禁となり、黒部漁港の市場には生きたズワイガニがずらりと並ぶ。

紅ズワイガニは9月1日が解禁で、県内の寿司屋ではお馴染みのネタである。

これから本ズワイガニ、紅ズワイガニのシーズンとなる。