山吹升麻(ヤマブキショウマ) バラ科

山吹升麻(ヤマブキショウマ)は宇奈月の山地林縁に生えるバラ科の多年草です。

雌雄異株で根茎は木質化し、葉は大きく2回3出状複葉に分かれ、卵型の小葉はさらに羽状に分かれています。

山吹の葉とよく似ているところから和名が付けられました。

花は、大きい円錐状総花序を作って開き、5個の花弁を付けます。

宇奈月では、赤升麻、山吹升麻、鳥足升麻の順に開花します。

大型の花器に水をたっぷりと張り、ダイナミックに生けます。

赤升麻(アカショウマ) ユキノシタ科

赤升麻(アカショウマ)は、宇奈月の山地や落葉紅葉樹林の林縁等に見られるユキノシタ科チダケサシ属の多年草です。

葉は根茎から出ますが、基部には褐色の鱗片状の毛が多くつき、その色から和名が付けられています。

葉は、3回3出複葉で3枚づつ楕円形の小葉をつけて1枚の葉となります。

先端は尖り周縁には重鋸歯が付き、柔らかな緑色が花の白を一層引き立たせます。

6月に入ると茎頂に複総状花序を出し白色の小花が密に並んでつきます。

花は小柄をもち、5弁花をたくさん付けます。

鳥足升麻より小型でまばらに生えるので一際貴賓があり、初夏の代表的な花です。

車花(クルマバナ) シソ科

車花は、宇奈月の山野の草地に生えるシソ科の多年草です。

葉は対生し、狭卵型で鋸歯があり基部には短い二枚の葉柄があります。

茎は、シソ科特有の箱型で直立し、枝先に断続的に輪生する花穂を作って、淡紅色の唇花形をつけます。

蕚も紅紫色を帯びることが多く、開出毛という茎に直角に伸びる細い毛が多くあります。

花冠は筒状で、開口部は2裂し、下唇は3裂しています。

雄しべは4本あり上唇側の2本だけが長くなっています。

河原撫子と取り合わせて籠の掛け花に活けると、初夏の風情が楽しめます。

空木(ウツギ) ユキノシタ科

空木(ウツギ)は宇奈月の山道の斜面でよく見られるユキノシタ科の落葉低木です。

花は、短い枝の先端に円錐花序を付け開花する。

花序は白色の花弁を5個持ち、長楕円形です。

文部省唱歌「夏はきぬ」で歌われている卯の花です。

枝の中は空洞なので空木と名付けられました。

姫空木(ヒメウツギ)は小型ですが空木(ウツギ)と見分けるのが難しいです。

おしべの芯にあたる花糸が翼に覆われ、葯の下に尖ったような角を伸ばすのが姫空木です。

衝羽根空木(ツクバネウツギ) スイカズラ科

衝羽根空木(ツクバネウツギ)は、宇奈月の落葉樹林の中に見られるスイカズラ科の落葉低木でよく分岐します。

新梢の先に黄白色で筒状鐘型の花を2個付けます。

目立たない初夏を告げる花ですが、内部には橙色の網目の模様があり、その純白さは清楚な雰囲気を漂わせています。

葉は対生し、卵状楕円形です。

へら形で5個の額は、花が終わった後も果実の頂に残り、まるで衝羽根を思わせます。

さらには樹枝が空木に似ているところからこの名前がついたようです。

ウツギと名前のつく花を対比するのも面白いですね。

梅花空木(バイカウツギ)  ユキノシタ科

梅花空木(バイカウツギ)は宇奈月の岩石地に見られるユキノシタ科の落葉低木です。

枝先に総状の集散花序をだし、白く清楚で芳香のある花をつけます。

4枚の花弁は重なり合い先端部がわずかにくぼみ、梅花を思わせる品の良い花です。

枝は又状に横に広がり、葉は対生して卵型で3本の葉脈がはっきしているのが特徴です。

茎には白い綿のような髄が詰まっていて、これを取り除かないと水揚が困難です。

最近、園芸品種のセイヨウバイカウツギや白花で八重咲きのヤエセイヨウバイカウツギが多く見られます。

衝羽根草(ツクバネソウ)  ユリ科

衝羽根草(ツクバネソウ)は、宇奈月の落葉樹林の林床に生えるユリ科の多年草です。

地下茎の先端から1本立ち上がって直立し、葉は4枚輪生し卵形から披針形で柄が無く、先は鋭く尖っています。

花は淡い緑色で、輪生した葉の中心から出た花柄の先に1個だけ付けます。

秋になると丸い黒い実を付け、披針形の萼片の部分が羽根のようになります。

和名は、その形が羽子板の羽根に似ているところからきています。

蝮蛇草(マムシグサ) サトイモ科

蝮蛇草(マムシグサ)は、宇奈月の山林内やスノーパーク(ゲレンデ)等の草原に自生するサトイモ科の多年草です。

葉は鳥足状に分かれ、小葉は10枚前後になり長楕円形で先は尖り基部も細くなります。

中央の茎は偽茎で、葉の基部が合わさって刀の鞘のようになっているところは葉鞘(ようしょう)と呼ばれています。

茎頂には仏像の背中の炎のような形をした仏炎苞と呼ばれる花を包む苞があります。

座禅草で紹介した苞で、水芭蕉も同様な苞があります。

マムシ草は雌雄異株で、筒のようになった白い苞の合わせ目に小さな穴があいているものは雄花です。

一方、雌花は穴がありません。

これは雄花から花粉を付けて出てきた昆虫に受粉させるため、逃げ出せないようになっていると考えられています。

受粉した花は、秋には真っ赤な実を葡萄状につけます。

宇奈月温泉スノーパークでは雪が解けるとスギナが群生します。

その中に山菜のワラビと、マムシ草が混在し、鎌首を持ちあげたマムシのような疑似に驚かされます。

夏灯台(ナツトウダイ)  トウダイグサ科

夏灯台(ナツトウダイ)は、宇奈月の杉林等の林中に生えるトウダイグサ科の多年草です。

宇奈月の山野草の中で形状が最も面白い植物です。

その形状とは、先ず1本の茎から数本が立ち上がり下の方が紅色を帯びています。

茎の先に5枚の菱状長楕円形の葉を頂生し、そこから5本の枝を出します。

更に枝は二股に分岐し、2枚の広卵状三角形の苞葉を付けその間に小さな盃状の花序をつけます。

苞葉(ほうよう)とは、花の下に位置し葉の変形したもので芽を保護する役割を果たします。

夏灯台は非常に複雑に入り組んでいるように見えますが、よく見るとそこには自然界の中で造られた規則正しい約束事が見られます。