鳥足升麻(トリアシショウマ) ユキノシタ科

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鳥足升麻は、宇奈月の山道の法面でよく見かけるユキノシタ科の多年草。

群生をなし、甘い香りを漂わせる。

まさに五感で自然を感じさてくれる。

細くてしっかりとした茎が長く伸び、先端に小さな白花を無数につる清楚な花。

芽吹きの形が鳥の足に似ているのでこの名前がついた。

草むらから飛び出している姿は、白鷺のように見える。

山吹の葉に似た山吹升麻もこの時期に見られる。

大きな花器に水をたっぷり入れて生けると、初夏の風情が楽しめる。

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越の小貝母(コシノコバイモ) ユリ科

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越の小貝母(コシノコバイモ)は、宇奈月の日陰の山の斜面に咲く、ユリ科の多年草です。

早朝ウォークのコースの途中で、雪解けの斜面で先ず見かける花で、宇奈月の自然の豊かさに感動します。

越の小貝母は、北陸に多く分布し茎の長さは5cmから10cmぐらいで茎頂に下向きの一輪の花をつけます。

西洋貝母(ばいも)と比べると小型で、越前、越中、越後の越の国に多く見られるので越の小貝母(コシノコバイモ)と呼ばれています。

この可憐な花は、立山や白馬周辺に見られる高山植物のクロユリに一番近い植物で、学名のFritillariaはさいころを入れる筒の意味です。

海外でも花の形から命名される事がよくあります。

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舞鶴草(マイヅルソウ) ユリ科

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舞鶴草(マイヅルソウ)は、宇奈月の亜高山帯の涼しい樹林内に生えるユリ科の多年草です。

葉は心臓型で2から3個、互生しています。

花は茎の先端に総状花序に付きます。

秋になると黄色い照葉の上に赤い実を付けます。

春とは対照的な山の恵です。

葉の脈の独特な曲線を鶴が羽を広げた形に見立てたところが名の由来です。

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上溝桜(ウワミズザクラ) バラ科

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上溝桜(ウワミズザクラ)は宇奈月の山地に自生するバラ科の落葉高木です。

葉は桜の葉のように楕円形で先が細くなり、縁には鋸歯があります。

開花は5月の初旬、長さ10cmほどの白いブラシのような総状花序をつけて甘い匂いを漂わせます。

遠くから見ると雪が積もったように見えます。

果実は初夏の頃に赤く熟し、小さなさくらんぼになります。

その実は黒部の猿達の絶好の食料となります。

イヌザクラによく似ています。

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黄華鬘(キケマン) ケシ科

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黄華鬘(キケマン)は、宇奈月の日当たりの良い平地に多いケシ科の越年草です。

花は横に長い筒形で、先が唇状に少し開いています。

華鬘とは仏殿に垂れ下がった金色の飾りのことで、花の形をこの華鬘に見立てたのが名の由来です。

宇奈月スノーパークで、雪を纏った山を背景に黄色の花が群生しているのをよく見かけます。

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片栗(カタクリ) ユリ科

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今年は、積雪が少なく山野草の開花時期が、平年より10日程早まっています。

片栗(カタクリ)は、ユリ科の多年草で落葉樹林内や、かつて落葉樹林だったところで群生します。

万葉集では堅香子(カタカゴ)の花として詠われ、かつては鱗茎から片栗粉を取り出したところから名前の由来になっています。

『物部の 八十少女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子の花』と大伴家持が万葉集で詠んでいます。

大伴家持が国司として5年間、越中に赴任していました。

越中の国衙が置かれていた場所は、現在の高岡市伏木古国府、浄土真宗本願寺派の古刹「雲龍山勝興寺」の境内です。

その古刹の北側に伏木神社があり、神社の西側に「万葉寺井の址」が残されています。

待ちわびた北国の春に思いを寄せる家持の目には、清水を汲みに井戸に集まる乙女たちの笑い声と、その乙女たちを象徴するように咲いている堅香子(かたくり)が重なって見えたのかもしれません。

落葉樹の葉が広がり、樹林内の太陽の光が弱まると、片栗の姿が消えます。

まさに春の妖精です。

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溝蕎麦(ミゾソバ) タデ科

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溝蕎麦は、宇奈月の山路や谷間などの湿地に自生するタデ科の一年草です。

宇奈月温泉スキー場で群落を作り、白い花が一面に咲いています。

花は枝先に花穂を出し10個ほどの米粒のような形の小花を集めて付けます。

茎の高さは50cmから80cmでまばらに分岐して下向きの棘があります。

葉は鉾型で毛がまばらに生え、萼は5裂し淡紅色、白色などの色があります。

花と葉の形が蕎麦に似て、溝などの湿った所に群生するので、この名前がついたようです。

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九蓋草(クガイソウ) ゴマノハグサ科

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九蓋草(クガイソウ)は、宇奈月の高山の斜面に自生するゴマノハグサ科の多年草です。

茎は根際から直立し長いもので1メートル近くあり直ぐに目に付きます。

茎頂に長い総状花序をつけ多くの小花が密生します。

花冠は筒状で花糸が紫色なので花穂全体が薄紫色に見えます。

葉は楕円形で先は尖り細かな鋸歯があり輪生しています。

輪生葉は、5枚、7枚と奇数が多く、何節も付くことから九蓋草と名付けられました。

青い蕎麦菜や紅色の越路下野草とともに、爽やかな高原の風に揺れながら天然の花壇を作っています。

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山蛍袋(ヤマホタルブクロ) キキョウ科

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黒部峡谷・日電歩道の切り立った崖沿いに自生しているキキョウ科の多年草です。

宇奈月温泉周辺では白色の蛍袋(ホタルブクロ)が道路沿や山道の日陰になるところで自生しています。

蛍袋は萼と萼の間に上に反り返った付属片がありますが、山蛍袋は付属片がなくすっきりとした萼です。

花は色つきのものが多く、釣鐘型で先端部が5裂しています。

小雨に濡れた花は下向きなので、昆虫達の絶好の雨宿りの場所になります。

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玉川杜鵑草(タマガワホトトギス) ユリ科

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玉川杜鵑草(タマガワホトトギス)は、宇奈月の深山の湿り気のある木陰に自生するユリ科の多年草です。

萌黄色の葉と黄色の花のコントラストが美しく、宇奈月僧ヶ岳登山道の落葉樹林縁で見かけます。

黄色い花びらに紫色の小斑点があり、杜鵑の胸のあたりの模様に似ているところから和名が付けられました。

冠の玉川の由来は、京都木津川支流の玉川です。

玉川堤は、現在も山吹の名所として知られ、奈良線の玉水駅の近くにあります。

古くは奈良時代に遡り、橘諸兄がこの近くに邸を構え、万葉集に山吹を数多く詠っています。

平安時代には歌枕の地となり、玉川と言えば山吹を連想するようになりました。

黄金色を山吹に見立て、玉川を連想して和名を付けるところは、日本人の自然を愛しむ心の現れだと思います。

花の命名には興味深い事柄が隠されているようです。

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