雪下出麦(ゆきわたりて、むぎのびる)

genkan
<延楽・玄関>

12月31日から七十二侯は「雪下出麦(ゆきわたりて、むぎのびる)」で二十四節気「冬至」の末侯にあたる。

降り積もった雪の下で麦が芽を出し始める頃という意味。

正月は、歳神をお迎えしてもてなし、お見送りする行事でもある。

門松は歳神様が降りてくる際の目印となるので、今年も太くて長い孟宗竹と大松で大きく飾り付けをする。

歳神様を祀る期間は「松の内」で1月1日から1月7日まで。

初詣で参拝される神社は宇奈月神社。

延楽から徒歩6分、セレネ美術館の隣に位置する。

昭和2年の創建で、地元の有志と黒部川電源開発を手がけていた日本電力の支援によるものである。

ご祭神は天照大神、大山祇神、大山久比神である。山の開発には大山祇神は欠かせない。

手水鉢は、黒部川支流の尾の沼谷で産出した緑色巨岩をくり貫いたものである。

そこに注がれる水は、黒部の名水で甘露甘露である。

カテゴリー: 黒部観光 |

麋角解(さわしかのつのおつる)

unadukidamuko
<雪景色が映える「うなづき湖」>

12月26日から七十二侯は「麋角解(さわしかのつのおつる)」で二十四節気「冬至」の次侯にあたる。

牡鹿は、繁殖期が過ぎると角が根元から抜け落ち春になると新しい角が生え代わる。麋(さわしか)の角が抜ける頃という意味。

麋(さわしか)とはオオジカのことで、かつて中国に生息していた麋鹿(びろく)とも言われている。

別名「四不像」とも呼ばれ、中国の「蹄は牛に似て牛にあらず、頭は馬に似て馬にあらず、角は鹿に似て鹿にあらず、身は驢馬に似て驢馬にあらず」という伝承からきている。

宇奈月温泉ではカモシカの生息数が年々増えている。

冬は冬眠せずに餌を求めて、自分の縄張り内をゆっくりと移動する。

樹木の葉が落ちて、山の斜面が雪で覆われた今頃が一番見つけやすい。

温泉街から徒歩30分程で「うなづき湖」に至る。

雪を纏った黒部の山々が、湖面に写り込む美しい湖である。

2001年竣工の宇奈月ダムによってできた山あいの人造湖である。

湖畔の雪の斜面を、カモシカが移動するのが観察できる場所でもあり、野生の猿に出会える所でもある。

カテゴリー: 黒部観光 |

乃東生(なつかれくさしょうず)

utubogusa
<宇奈月の山野に咲く靫草:7月撮影>

12月22日から二十四節気は冬至に入る。

1年で最も昼が短い日。

「冬至、冬中冬初め」といわれるように冬至は、冬の真ん中で真冬の始まりでもあり、この日を境に太陽が復活を始める。

故に冬至を「一陽来復」といい、物事が良い方向に向かうとされる。

七十二侯は「乃東生(なつかれくさしょうず)」で二十四節気「冬至」の初侯に当たる。

乃東(なつかれくさ)は冬に芽を出して夏に枯れる夏枯草(かごそう)のことで、この芽がでる頃という意味。

夏枯草(かごそう)とは宇奈月の山野に自生するシソ科の多年草の靫草(うつぼぐさ)。

花は紫色で直立した茎の先端の密な円柱状の花穂につく。

この枯れた花穂が夏枯草で、古くから漢方薬として用いられてきた。

冬至の初侯「乃東生(なつかれくさしょうず)」は、夏至の初侯「乃東枯(なつかれくさかるる)」と対になっている。

12月23日は「宇奈月温泉スノーパーク」のスキー場開き。

雪に覆われた大地には乃東(なつかれくさ)の芽が出ようとしている。

カテゴリー: 黒部観光 |

鱖魚群(さけのうお、むらがる)

kyoukoku_huyu01
<延楽・客室からの眺め>

12月17日から七十二侯は「鱖魚群(さけのうお、むらがる)」で二十四節気の大雪の末侯にあたる。

鮭が産卵のため自分の生まれた川に遡上する頃という意味。

宇奈月温泉を流れる黒部川では鮭の遡上は11月で終わる。

黒部川には堰堤やダムが幾つもある。

海から最も近い堰堤は、黒部川扇状地の扇頂部にあたる愛本。

黒部川下流域の最も狭い地点で、江戸時代に刎橋が懸けられていた所でもある。

愛本堰堤は昭和44年の水害で流失し、同48年に築造される。

黒部川は、急流河川で流出土砂も多いので堰堤の破損箇所も多い。

魚が通る魚道も同様で、現在は機能していない。

故に鮭は愛本堰堤より上流には上れないので、宇奈月温泉の周辺では見ることができない。

ところが桜鱒だけは違う。

それは遡上する時期が春だからである。

雪解けが進んだ黒部の流れは、急流となって川幅一杯に流れるので堰堤を乗り越える事ができるのだ。

宇奈月周辺まで遡上してきた桜鱒は、落下昆虫や水生昆虫などを捕食し、夏の期間は深い淵に潜む。

山の木々が色づく10月下旬から11月中旬にかけて黒部川の支流で産卵する。

孵化した稚魚は降海型と河川残留型に分かれる。

降海型は、桜鱒(サクラマス)となり、河川残留型は山女魚(ヤマメ)となる。

フライが楽しめる黒部川は2月の末まで禁漁となり、ゆっくりと稚魚を育む。

カテゴリー: 黒部観光 |

熊蟄穴(くま、あなにこもる)

kotoneyu1501
<雪見露天風呂・琴音の湯(岩風呂)>

12月12日から七十二侯は「熊蟄穴(くま、あなにこもる)」で二十四節気の「大雪」の次侯にあたる。

熊が厳しい冬を乗り越えるために穴にこもる頃という意味。

この時季になるとシベリアから寒気が日本海側まで張り出して北陸に大雪をもたらす。

従来の東京方面からの在来線特急は、大雪とそれに伴う強風でたびたび運休した。

開業3年目を迎える北陸新幹線は、日本でも有数の豪雪地帯を走る。

開業以来、大雪でも正常運転を続ける。

驚くほど雪に強い新幹線である。

新潟県側の長いトンネルを抜けると左手に白銀の北アルプス、右手に能登半島と富山湾が美しく映える。

もうすぐ黒部宇奈月温泉駅。

東京駅から2時間余り、本当に早くなった。

湯量豊富な宇奈月温泉は、アルカリ性単純泉で肌に優しい美肌湯である。

露天風呂に浸かりながら乱舞する雪を見るのもよし、津和井蟹と寒鰤で地酒を味わうのもよし、スノーシュで山を巡るのもよし。

山あいのいで湯ならではの過ごし方でもある。

カテゴリー: 黒部観光 |

閉塞成冬(そらさむく、ふゆとなる)

kotonryu_huyu00
<雪見露天風呂・琴音の湯>

12月7日から二十四節気は「大雪」に入る。

木々の葉はすっかり散り終え、雪の日が多くなる。

七十二侯は「閉塞成冬(そらさむく、ふゆとなる)」で「大雪」の初侯にあたる。

天も地も寒さで塞がれ、本格的な冬到来の頃という意味。

宇奈月温泉を取り巻く山々は雪化粧。黒部川の水面近くの名残の紅葉が、季節の移ろいを感じさせる。

季節は日一日と真冬へと向かってゆく。

これからの景色は雪景色。

最も宇奈月温泉らしい風情を醸し出す。

冬でも延楽へ度々訪れられた芸術家は、小杉放庵先生。

延楽ギャラリーではその足跡を紹介している。

寒い冬の湯量豊富な温泉は、芸術家達を魅了した。

峡谷に面した露天風呂は雪を愛でるのに最も適したところ。

カテゴリー: 黒部観光 |

橘始黄(たちばな、はじめてきばむ)

kouyou_yuki

12月2日から七十二侯は「橘始黄(たちばな、はじめてきばむ)」で二十四節気「小雪」の末侯にあたる。

師走に入り七十二侯も「小寒」の初侯「芹乃栄」から数えて第六十侯。

橘が黄金に輝く実をつける頃という意味。

橘とは蜜柑や柚子などの食用になる柑橘類の総称でもある。

古事記や日本書紀にも登場し、万葉集にも多く詠われている。

京都御所や平安神宮では「左近の桜」に対して右側に植えられているのが「右近の橘」。

今日は冬型の気圧配置が緩み朝から快晴。

黒部の山々は美しい銀嶺に変わり光り輝いている。

山あいの宇奈月は玉露色を呈した黒部の流れと色濃い紅葉が心に残る。

夜半からの雪で名残の紅葉に雪化粧。

まさに初冬の紅葉である。

氷見漁港をはじめとする県内各地の漁港では連日、鰤の豊漁が続く。

昨年よりも9日遅れての寒鰤宣言。

宇奈月温泉は待望の雪見露天風呂と寒鰤、津和井蟹が味わえる食の季節に入った。

これから寒鰤が旨い季節になる。

カテゴリー: 黒部観光 |

朔風払葉(きたかぜ、このはをはらう)

otiba

11月27日から七十二侯は「朔風払葉(きたかぜ、このはをはらう)」で二十四節気「小雪」の次侯にあたる。

朔とは北の方角の意味があるので朔風は北風のこと。

北風が吹いて木の葉を散らす時季という意味。

黒部峡谷鉄道は11月30日で営業終了となる。

宇奈月温泉周辺の木々は、まだまだ色濃い紅葉の葉をつけている。

山彦遊歩道では絨毯を織り上げるかのように錦色に染まった葉が降り積もる。

セレネ美術館には黒部の落ち葉をとらえた手塚雄二画伯の「終宴」が展示されている。

奥黒部の取材を終えて岐路についた時、断崖絶壁の日電歩道にはヒラヒラと照葉が舞い落ちた。

晩秋の黒部の印象を描いた作品である。

これから黒部峡谷は雪を纏い水墨画のような幽玄の世界に入る。

カテゴリー: 黒部観光 |

虹蔵不見(にじ、かくれてみえず)

kurotetu00
<黒部三段染と山彦鉄橋>

11月22日から二十四節気は「小雪」に入る。

冬本番には未だ早いが、山には雪が降り始める頃。

七十二侯は「虹蔵不見(にじ、かくれてみえず)」で二十四節気「小雪」の初侯にあたる。

空気が乾燥し、日差しが弱くなるので虹が見えなくなるという意味。

この季節北陸では冬期雷といって雷がよく発生する。

地響きを伴った雷鳴が轟き渡るのは、11月末から1月の間で富山湾に強風が吹き荒れ、沖合では大シケになり閃光が走る。

鰤が富山湾に押し寄せるシグナルで、豊漁を告げる「鰤起こし」。

11月28日は親鸞聖人の命日で、昔からこのあたりがよく荒れる。

真宗門徒の多い富山県では、「御満座(ごまんざ)荒れ」と呼んでいる。

富山には鰤を使う風習が多く残っている。

これから県内の市場には、脂の載った丸々とした寒鰤が威勢よく並ぶ。

晩秋の黒部峡谷は、色濃い照り葉が所々残り、秋の深まりを感じさせる。

湯量豊富で肌に優しい温泉と寒鰤料理が味わえるのが、山あいの出湯宇奈月である。

カテゴリー: 黒部観光 |

金盞香(きんせんか、さく)

damuko
<うなづき湖>

11月17日から七十二侯は「金盞香(きんせんか、さく)」で二十四節気の立冬の末侯にあたる。

金盞香が咲き始める頃という意味。

金盞香とは水仙のことで別名「雪中花」。

五弁の花びらの真ん中にある副花冠が金色の盃を表す「金盞(きんせん)」に似ているところから金盞香と命名。

宇奈月温泉は冬型の気圧配置で気温も下がり時雨模様。

雨上がりの霧が山を覆い、時折切れ間から深紅に染まった木々が現れる。

雨の紅葉の峡谷は一段と幻想的になる。

山の頂が雪化粧すると黒部の三段初め、五段染めが現れる。

カテゴリー: 黒部観光 |