霜止出苗(しもやみて、なえいずる)

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4月25日から七十二侯は「霜止出苗(しもやみて、なえいずる)」で二十四気「穀雨」の次侯にあたる。

朝晩の厳しい冷え込みは緩み、霜が降りなくなる頃という意味。

この侯を迎えると農家では田植えの準備に取りかかり、田に水を張る。

満面の水面には、雪を纏った黒部の山々と新緑の里山が美しく映り込む。

山居村の屋敷はまるで浮城のように見える。

宇奈月の里の山野草は、柔らかな春の光に誘われ開花する。

春の風物詩を愛でながら行く延楽館主との早朝ウォーク。

爽やかな宇奈月の風を感じながら出かける朝の1時間。

萌葱色の山の色合いに心が癒される。

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葭始生(あし、はじめてしょうず)

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<木々の芽吹きも始まったばかりの新山彦鉄橋>

4月20日から二十四節気は穀雨に入る。

春雨が百穀を潤す事から名付けられ、種まきや田植えの準備の目安となる。

変わりやすい春の天気もこの頃から安定し日差しも強まってくる。

七十二侯は「葭始生(あし、はじめてしょうず)」で「穀雨」の初侯にあたる。

水辺の葭が芽吹き始める頃という意味。

春の雨は花が咲くことうながす雨という言う意味で「催花雨」と言われることもある。

冬期間運休していた黒部峡谷鉄道は、4月20日、宇奈月・笹平(7km)で今期の営業運転を始めた。

5月1日から鐘釣(14.3km)まで、5月5日から終点の欅平(20.1km)までの全線開通となる。

これから日一日と、雪を纏った黒部の山々と新緑が美しくなる良い季節である。

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虹始見(にじ、はじめてあらわる)

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<雪の大谷ウォーク>

4月15日から七十二侯は「虹始見(にじ、はじめてあらわる)」で二十四節気「清明」の末侯。

萌える山野を背景に驟雨一過、虹が出始める頃という意味。

夏の虹に比べると幻想的で、淡くたちまち消えてなくなるのである。

立山黒部アルペンルートは、本日全線開通。一番のハイライトは雪の大谷で今年の雪壁は17mに達する。

立山黒部アルペンルートは富山県立山町の立山駅と長野県大町市の扇沢駅とを結ぶ交通路で、総延長37.2kmの国際的にも大規模な山岳観光ルート。

ほとんどが中部山岳国立公園内である。

この時期は雪を求る海外のお客様で賑わう。

雪に覆われた北アルプスの名座達は神々しく映る。

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鴻雁北(こうがん、かえる)

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4月10日から七十二侯は「鴻雁北(こうがん、かえる)」で二十四節気「清明」の次侯。

日本で冬を過ごした雁が、列をなして北へと帰って行く頃という意味。

寒露の初侯(10月8日)は「鴻雁来(こうがん、きたる)」なのでそれまでのお別れである。

清明の初侯は「玄鳥至(つばめ、きたる)」なので燕と雁が入れ替わる頃である。

宇奈月温泉街周辺の山々では陽当たりのいい斜面は雪が解け山菜が顔を出す頃となる。

渦巻き状の新芽で独特の香りのコゴミ。

野の香りの強いミツバ。

独特のぬめりが楽しめるオオバギボウシの新芽はウルイと呼ばれる。

宇奈月スノーパークの滑降斜面一面に広がるイタドリの新芽。

大地に棒を差したようだ。

取り出すと夢中になるワラビ。

特に今が旬のホタルイカのボイルには山菜と酢味噌がよく合う。

内臓がしっかり入って膨らんでいるのが旨い。

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玄鳥至(つばめ、きたる)

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<出葉前に開花する木五倍子(キブシ)>

4月5日から二十四節気は「清明」に入る。

清明とは「清浄明潔」の略で「万物発して清浄明潔なればこの芽は何れの草としれる也」と江戸時代に出版された暦の解説書である「暦便覧」に記述されている。

まさに万物がすがすがしく明るく輝くころである。

七十二侯は「玄鳥至(つばめ、きたる)」で二十四節気「清明」の初侯。

燕が南の国から海を渡ってやって来る頃と言う意味。

まもなく宇奈月では岩燕の飛行が見られる。

岩燕は小型の燕で尾羽の切り込みが浅く、日本には繁殖のために飛来して、温泉街から山地にかけて集団で営巣する。

雪が解け始めた山路では、萌木が輝いて春を謳歌している。

「延楽・早朝ウォーク」は春の盛りを五感で感じさせてくれる。

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雷乃発生(かみなり、すなわちこえをはっす)

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<岩肌に咲く岩団扇>

3月31日から七十二侯は「雷乃発生(かみなり、すなわちこえをはっす)」で二十四節気「春分」の末侯。

不安定な春の空に雷が鳴り始める頃と言う意味。

春の雷は、恵みの雨を呼ぶ兆しとして人々が待ち望んだ。

富山市内を流れる松川べりの桜は満開となり、夜とのもなれば夜桜の下、花見で盛り上がる。

今年の3月下旬は平年より暖かい日が続き開花が早まった。

宇奈月の桜は三分咲き。

宇奈月の雪が残った山道を歩くと、木々の芽吹きや山野草を楽しむ事ができる。

雪が解け始めた広葉樹林帯や林道沿いの岩肌に、可憐な花を咲かせているのは岩団扇(イワウチワ)。

イワウメ科の多年草で日本の固有種である。

宇奈月町では町花として親しまれ、待ちわびた春の象徴でもある。

和名の由来は、葉が団扇の形状であるところから来ている。

延楽・早朝ウォークに参加すると様々な山野草が楽しめる。

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桜始開(さくら、はじめてひらく)

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<ホタルイカお造り>

3月26日から七十二侯は桜始開(さくら、はじめてひらく)で二十四節気「春分」の次侯にあたる。

宇奈月の桜は未だ蕾。

東京の桜の開花が話題になる頃、富山湾はホタルイカ漁で賑わう。

そのお造りや桜煮が旬を迎える。

ホタルイカは小さな可憐な生き物で、青白く発光するので見る人を魅了する。

漁は定置網で行われ、水揚げされる個体のほとんどが産卵を終えた雌である。

ホタルイカは産卵の時期を迎えると大量に深海から浮上して海岸に押し寄せる。

その時海岸線に延々と青白く光の帯を作る。

その光景は幻想的で、新月の夜に見られる。

ホタルイカの造りは独特の甘みがある。

腕だけを刺身にした「竜宮素麺足」も一緒にいただく。

添える野菜はグリーンアスパラ。

スッキリとした「勝駒・純米吟醸」が合う。

季節の器は「蓋物・色絵枝垂桜」。

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雀始巣(すずめ、はじめてすくう)

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3月21日から二十四節気は春分。

太陽が真東から昇り真西に沈み、太陽が春分点を通る日で、昼と夜の長さが同じになることから二十四節気では大きな節目の日とされる。

この日を中日に、前後3日間を含めた7日間が春の彼岸で先祖の供養をする。

この時期は西方の極楽浄土に最も近づける頃だと信じられていた。

春分の日は国民の祝日でもある。

祝日法第2条では「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨としてこの日を祝日と定める。

七十二侯は「雀始巣(すずめ、はじめてすくう)」で二十四節気「春分」の初侯でもある。

すずめが巣作りを始める頃という意味。

この日を境に、日脚が少しずつ長くなる。

残雪が残る山道では、低木の芽がふくらみ始める。

春の光によって自然の表情が豊かさを増す頃となる。

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菜虫化蝶(なむし、ちょうとなる)

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3月16日から七十二侯は、「菜虫化蝶(なむし、ちょうとなる)」で、二十四節気は「啓蟄」の末侯にあたる。

厳しい冬を越したサナギが蝶に羽化する頃という意味。

「菜虫」とはアブラナ科の野菜類を食べる昆虫の総称。

特に紋白蝶の幼虫の青虫をさす。

菜の花が畑一面に咲き乱れ、羽化した紋白蝶が飛び始める頃となる。

「菜の花曇り」「菜種梅雨」という言葉もこの時季に使われる。

気象庁では、全国の気象官署で統一した基準により生物季節観測の情報を紹介している。

それによると昨年の富山での紋白蝶の初見日は、3月17日。

今年は、大雪の影響もあり遅れ気味である。

温泉街の落葉樹は、冬芽をふくらませ若葉を出す準備をしている。

雪解けが進んだ山路では、蕗の薹が出始める。

この強い香りと苦みが冬眠から目覚めさせてくれる。

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桃始笑(もも、はじめてさく)

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3月11日から七十二侯は、桃始笑(もも、はじめてさく)二十四節気の「啓蟄」の次侯にあたる。

桃の蕾はふくらみ花が咲き始める頃という意味。

宇奈月温泉では一雨毎に春が近づいてくるのが感じられる。

かつてこの地は、俗称ウナヅキ平と呼ばれるガレ場で、桃の木が沢山自生していた。

先人達はこの地を桃原と名付け、黒部川電源開発の基地とした。

今は花桃を植林して当時を偲ぶ。

昨年は黒部川開発100年を記念して新たな花桃「三色桃」の苗木を100本植樹する。

この「三色桃」は、1本の木から白、赤、ピンクの花を咲かせる。

木曽川の電源開発を行ったのが大同電力で、その社長である福沢桃介が、大井発電所にドイツから持ち帰った苗木を植えた。

1922年のことで、これが「三色桃」である。

福沢桃介は、黒部川の水力発電にいち早く目をつけ、1909年に現地調査を行う。

入善町で紡績会社の工場を建設するためである。

この縁が植樹に繋がった。

開花は、桜の花が終わる4月の半ば頃。

黒部漁港では春の便りを届けてくれる魚が水揚げされる。

今が旬の細魚(さより)、鯛、平目、アオリイカ、梅貝など。

早春のお造りの器は、仁清色絵桃花、六寸皿彩。

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