月別アーカイブ: 9月 2017

玄鳥去(つばめ、さる)

mozart00
<延楽ギャラリーでの演奏>

9月18日から22日まで七十二侯は「玄鳥去(つばめ、さる)」で二十四節気の白露の末侯にあたる。

玄鳥とはツバメの総称。

春に日本にやってきた燕が暖かい南の国へ帰る頃という意味。

20日は秋彼岸の入り。

暑さ寒さは彼岸までの言葉通り燕の渡りが始まる。

燕がやってくるのは七十二侯の「玄鳥至(つばめ、きたる)」で二十四節気の清明の初侯で、今年は4月4日だった。

宇奈月温泉で飛び交う燕は岩燕で尾羽が短くやや小型。

燕が去る頃、温泉街では宇奈月モーツアルト音楽祭が行われる。

今年は9月16日から18日まで開催。

山に囲まれた温泉街の各所からモーツアルトの調べが耳に届く。

豊かな自然に恵まれた出湯ならではの情緒である。

音楽祭が終わると秋の深まりを感じつつ月影がさやかな時季を迎える。

カテゴリー: 黒部観光 |

鶺鴒鳴(せきれい、なく)

kiturihune
<白露が降りる黄釣船草>

9月12日から七十二侯は「鶺鴒鳴(せきれい、なく)」で二十四節気の白露の次侯にあたる。

季節は中秋で鶺鴒が鳴き始める頃という意味。

鶺鴒は宇奈月周辺では通年見かける。

舗装された山道をチチッチチッと高い鳴き声を発して、長い尾をしきりに上下に振りながら小走りに動く。

まるで道案内をしてくれるかのように。

黒部の渓流沿いや、宇奈月谷などの水辺に棲む。

古くは日本神話の国産みの神聖な鳥として日本書紀に登場する。

鶺鴒の季語は秋。

我が国では白というと雪を連想するが、中国では白は秋の色とされている。

野の草花に宿った朝露が白く輝く頃、鶺鴒のオスが伴侶を探して鳴き始める。

黒部の山々では、これから日一日と秋の情趣が感じられるようになる。

カテゴリー: 黒部観光 |

草露白(くさのつゆ、しろし)

akigiri00
<白露に濡れた秋桐>

9月7日から二十四節気は白露となる。

朝晩の気温差が大きくなると露が降りるようになる。

暦便覧には「陰気ようやく重なり露凝って白し」と。

夏の気配を残しつつも朝夕は涼しくなり草花に朝露がつくようになるという意味。

七十二侯は「草露白(くさのつゆ、しろし)」で白露の初侯。

草に降りた露が白く光って見える頃という意味。

早朝、宇奈月僧ヶ岳の登山道を行くと草露に足下が濡れる。

行き会いの空は、季節の移ろいを伝える。

白露に濡れた秋桐が心に残る。

秋桐は、シソ科の多年草で桐の花に似ているところから名付けられた。

カテゴリー: 宇奈月の山野草, 黒部観光 |

禾乃登(こくのもの、すなわちみのる)

owara

9月2日から七十二侯は「禾乃登(こくのもの、すなわちみのる)」で二十四節気の処暑の末侯にあたる。

禾の文字は粟や稲の穂を形取り、豊かな実りを象徴する。

稲穂が膨らんで黄金色になる頃という意味。

「おわら風の盆」は、五穀豊穣を願いつつ9月3日で静かに幕を閉じる。

3日間で26万人のお客様が坂の町を訪れる。

深みのある叙情性が訪れる人々の心を打つ。

新作おわらの代表作は小杉放庵が詠んだ「八尾四季」。

ゆらぐつり橋手に手をとりて
 渡る井田川 オワラ 春の風

富山あたりかあの灯火は
 飛んでゆきたや オワラ 灯とり虫

八尾坂道わかれてくれば
露か時雨か オワラ はらはらと

若しや来るかと窓押しあけて
 見れば立山 オワラ 雪ばかり

昭和3年に川崎順二に招かれて詠った。

八尾の往路には必ずといっていいほど延楽で長逗留され黒部の景勝を詠う。

延楽創業者の竹次郎と馬があったようだ。

宿には小杉放庵の足跡が数多く残っている。

カテゴリー: 黒部観光 |