春の香り

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3月20日から4月3日まで二十四節気は春分。

太陽が真東から昇り真西に沈み、春分の日は太陽が春分点を通る日で、昼と夜の長さが同じになることから二十四節気では大きな節目の日とされる。

この日を中日に前後3日間を含めた7日間が春の彼岸で先祖の供養をする。

祝日法第2条により「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ことを趣旨として祝日と定める。

3月20日から3月24まで七十二侯は「雀始巣(すずめ、はじめてすくう)」で春分の初侯。

すずめが巣作りを始める頃という意味。

昼の時間が少しずつ長くなり、春の光によって宇奈月の自然の表情が豊かさを増す。

山道を覆った雪が溶け始めると先ず顔を出すのが蕗の薹。

天麩羅や蕗味噌で春を味わう。

独特の香りとほろ苦さで気分を一新。

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渓流釣り(黒部川)

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土の中で冬ごもりしていた生き物たちが、穴を啓いて地上へと這い出してくることから二十四節気は啓蟄となる。

立春から数えてひと月。

3月5日から二十四節気の初侯「蟄虫啓戸(すごもりのむし、とをひらく)」。

冬眠していた生き物が、春めく陽気で土から出てくる頃と言う意味。

3月1日から黒部川が解禁となる。

未だ雪が残る早春の川辺では、ネコヤナギの花穂が春の光で輝いている。

これから岩魚、山女魚の動きが活発化する。

早朝から釣り人を見かけるのもこの頃だ。

釣り具一式を借りて渓流釣り。

これも宿での過ごし方の一つだ。

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黒部川扇状地と後立山連峰(白馬連山)

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早春といっても宇奈月温泉は、早朝の連日の雪でまだ寒い。

2月23日から2月25日まで七十二侯は「霞始靆(かすみ、はじめてたなびく)」。

春霞が立ちこめて野山がぼんやりとかすんで見えるようになる頃と言う意味。

二十四節気の雨水の次侯にあたる。

靆(たなびく)は棚引くで、これから気温が少しずつ上がり、湿度が増して霞や雲となり低空に漂うようになる。

後立山連峰(白馬連山)が雲に包まれ、名峰の姿が雲の切れ間から見えるようになる。

黄砂が偏西風に乗って大陸から飛来するのもこの頃だ。

夜の春霞は朧(おぼろ)で、月にかかると「朧月」。

雪国では、朧月夜を味わえるのは、まだまだ先のようだ。

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春めく黒部川

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2月18日から二十四節気は雨水。

空から降る冷たい雪が雨に変わり、野山の雪がゆっくり溶け始める頃となる。

この時期に観測される強い南風が、春一番。

富山は昨日、観測された。

雨水は、立春から15日目に当たる。

2月18日から22日まで七十二侯は、雨水の初侯「土脉潤起(つちのしょう、うるおいをおこる)」。

凍てついた大地が、潤いを取り戻す頃と言う意味で、昔から農耕の準備を始める目安とされた。

今日は、宇奈月温泉では雪上花火大会。

夕方から雪がちらつき、一時強風も伴って吹雪となる。

春の風なので長続きはしない。

これから黒部川では、春の気配を感じた水鳥たちが、朝の陽射しを浴びながら活発に動く。

渓流の魚もこれから動きが始まる。

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白銀の黒部川河原

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2月13日から72侯では「魚上氷(うお こおりをいずる)」。

二十四節気、立春の末侯になる。

暖かさを感じ始めた渓流の魚が動き始め、割れた氷の下から飛び出す頃という意味なのだが、宇奈月では連日の雪。

春がそこまでやってきているので、積雪はマスコミで報じられている程でもない。

この時期の雪雲は白く時折青空を覗かせる。

放射冷却現象で、雪に覆われた朝の黒部川の河原は、白銀と化す。

輝く新雪を踏み分けスノーシューを使っての散策は、旅館の過ごし方の一つでもある。

どこまでも続く黒部の生き物の足跡。

春を感じ動物たちの動きも活発化する。

延楽直下の黒部川の水量もこれから徐々に増え、3月1日の渓流釣りの解禁を迎える。

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後立山連峰(白馬連山)

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1月25日から七十二侯では大寒の次侯、「水沢腹堅(さわみず、こおりつめる)」。

沢に氷が厚く張りつめる頃と言う意味。

水はいよいよ冷たさを増し、1年の内で最も寒い時期。

朝晩、道路は凍結し氷の道となる。

この時期から厳しい寒さと力強くなる太陽の温もりで、三寒四温を繰り返しながら季節は春へと向かっていく。

大寒の晴れ間、黒部川扇状地から眺める後立山連峰は、神々しく白く輝いている。

北陸新幹線、黒部宇奈月温泉駅から眺める光景も同様。

奥から白馬岳(2932m)、旭岳(2867m)、清水岳(2603m)、後立山連峰の勇姿である。

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雪吊りが映える頃

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1月20日から二十四節気の大寒。

寒さは一段と厳しくなるが、冬至を過ぎてから太陽の光は日一日と強さを増してくる。

七十二侯は大寒の初侯で「款冬華(ふきのはな、さく)」。

款冬(カントウ)とは蕗のこと。

雪に覆われた宇奈月の山の斜面の地中では蕗の薹が顔を出す準備をしている。

草花が春に向けて準備を進めている頃という意味。

節分までは寒の内で雪の日が続く。

木々の枝に雪が纏い雪吊りの幾何学模が最も美しく映える頃である。

冷たい空気で身を引き締めながらの温泉街の散策は格別である。

夜の宴は、富山湾の活蟹料理と地酒で決まりである。

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心和む街路灯

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1月15日から1月19日まで、二十四節気は「小寒」の末侯「雉始雊(きじ、はじめてなく)」。

雉子の求愛が始まる頃という意味。

宇奈月温泉は、まだまだ雪の日が続くが、下流の扇状地では野鳥の鳴き声が聞こえ始める。

雪の温泉街を散策すると思わぬ造形美に心が和む。

その一つが街路灯の装飾デザイン、橋を渡るトロッコ電車。

宇奈月駅を出るとすぐに渡る橋は山彦鉄橋。

その音が温泉街に響く故に命名。

その他、雪の晴れ間の温泉街で出会うブロンズ像も印象的。

温泉街散策の魅力の一つでもある。

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雪見露天風呂

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二十四節気の小寒に入ると雪の降る日が続く。

対岸の木々に、一面雪の花。

雪景色が映り込む、露天風呂「華の湯」の湯鏡。

七十二侯では、小寒の次侯「水泉動(しみず、あたたかおふくむ)」。

地中で凍った泉が、溶けて動きだす頃と言う意味。

11日は鏡開き、鏡餅の割れが多いと豊作。

これから寒さが一段と厳しくなるが、冬至から太陽が復活し日脚が伸びる。

湯船に浸かると春の兆しが感じられる。

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宇奈月温泉「雪上花火大会」・毎週土曜日実施

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1月から3月までの毎週土曜日は、宇奈月温泉雪上花火大会。

冷え切って澄んだ夜空に大輪の花を咲かせる雪上花火。

四方から山が迫っている地形故にその炸裂音は、温泉街に響き渡る。

なかでも2月4日は、「宇奈月温泉雪のカーニバル」。

大がかりな花火が打ち上げられ、松明行列や松明滑降、左義長などが行われる。

花火大会の初日は、二十四節気では小寒(1月5日から)。

「小寒の氷、大寒に解く」と言う故事があるほど寒の入りを迎えて寒さは一層厳しくなる。

この日から節分までを「寒の内」、翌日の立春は「寒の明け」。

それまで厳しい寒さが続く。

七十二侯では小寒の初侯「芹乃榮(せり、すなわちさかう)」。

厳しい寒さが続くが田んぼや水辺では芹が生え始める頃という意味。

芹は、七草かゆにはなくてはならない摘み草で、和名は競り合うように生えているその姿から。

冬の花火がとどろかす雪の下には、春の息吹が着実に育まれている。

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